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木村伊兵衛と土門拳

昨晩、NHK教育のETVで木村伊兵衛を取り上げていた。
昨今の昭和ブームを受けてのことだろう。

過去に何度も雑誌や作品展などで写真を見た事があったが、言動や風貌が
あまり好きな写真家ではなかったので、どうしても斜めから写真を見てしまっていたが、昨日のTVで少し印象が変わった。その変化のきっかけは氏の
コンタクト・プリント。とても軽やかに撮ってある。写真を見て、気持ちいいなと思わされてしまった。
名作と言われているカットでも前後に精々数カット撮ってあるだけ。
”ここで傑作をものにする”と言うような執着心みたいなものは全く感じられない。
飄々と居合い切り。
それと共に写真の雰囲気がいいなと感じたこと。所謂”空気感”と言われている
のはこういうものかなと。それはどのカットも対象となる人物の視線が来ていないからだとTVの解説は言っていた。なるほどそうなのか、この気持ちのよさは。

この木村伊兵衛と並び称せられるもう1人の雄の土門拳。
僕はこの人の方が圧倒的に好きだった。気持ちよいほどに被写体に執着する。
無機質な仏像の写真から生命力さえ感じさせる存在感には息を呑む。
合わせて集中力と瞬発力。「昭和の子供達」の中に見られるAFも連写もできない
レンジ・ファインダーカメラで捉えた決定的瞬間な写真。正に一発必中とはこのことと思わされる。もうお見事としか言えない。

デジカメ全盛のこの時代に両氏が蘇ったら・・・

木村さんは : 「デジタルのような”空気”の写らないカメラはいけません。
         粋ではないです」と相変わらずLEICAかな。

土門さんは : 「何だ!35mmでこの鮮鋭さは」とD2Xで連写しまくりかな。
by hiroki147 | 2006-03-19 18:26 | 写真
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